石垣島便り

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2013年 04月 11日

モダマを追って旅するアジア・4-3

ネパール、モダマ巡礼の旅・3、チトワン
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朝靄の立ち込めるチトワン原野、早朝、象に敷き藁を積んで村へ帰る象使い。
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広大な原野と森をゆったりとラプティー川支流が流れる。森の樹冠から朝日が昇る。

ネパールでのモダマ自生地探しでは、このチトワンが最も有望視さる地域だった。
旅立つ前に多くの情報を集め、幾度となくグーグルアースを使って上空から視察もした。
しかし、なにせ広い。とりつく手がかりはソウハラ村が一般的だが、
ここでの受け入れ体制は、多くがパッケージツアーになっている。
宿泊と自由選択のできるアクティビティが用意されていて、エレファント・サファリ、
カヌー・ライド、バード・ウォッチング、ジャングル・ウォーク、ジープ・ドライブ、
ラフティングなどが楽しめる。しかし、たいがいが数人単位の行動で、コースも決まっている。
個人的に「モダマを見たい」と要望しても、宿泊付きのガイドがはたしてモダマを知っているか、
自生地を巡るコースを用意しているかは分からない。
そのことは分かっていたので、ここでは、リゾート気分を楽しむのと海外の国立公園でのガイドさん
の様子を観察(視察)させてもらうことにした。
もちろん、宿泊先のマネージーには「私は森でモダマ(パングラー)を見たい」と告げた。
「・・・」(何じゃそは?)という顔をしていたので、とにかく森に行くアクティビティを
用意してもらった。結果、立ててくれた日程プランが、行きが刳り舟に乗って川を遡上し、
帰りはジャングル・ウォーキング、とエレファント・サファリ、朝のバード・ウォチングだった。
ロッヂに案内され、荷を解いて、プランの合間に宿泊先を抜け出て、地元の人の集まる食堂兼
売店に行き、カトマンズで買ったモダマ種子を見せて「これは何ですか」と聞いてみた。
店に居た一人の男性客が、「タトゥナ」と言い、他の客もそうだと言った。
「・・・???」ソウハラ村では「タトゥナ・・・と言うのかな?」
客の一人の一見ガイドをしてそうな男性が、メモ用紙に「Tatna」と書いてくれた。
ネパールでもチトワンのある南部、この地域のタルー族の呼び名だろうか?
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欧米人のグループと刳り舟でワニを見ながら川を遡上する。
先頭に立って説明をしてくれるガイドさん。
彼にジャングル・ウォーキングの時、「ネパリネームでパングラーorタトゥナはこの辺に生えて
ないか」と訊ねたら「・・・?」だった。
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象に乗って水遊び。象が川岸に鼻を乗せ、人は鼻から頭、背中へと乗り込む。
象の背中に乗る前から川に落ちる人も、象の背中では、鼻からのシャワーを浴びせられる。
乗る人も見る人も楽しい。

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この日は、象のブリーデングセンターへ行ったりもした。
帰り道、アーミーキャンプの横の道を歩いている時、金網の向こう側に子供のサイがいたので、
ガイドに聞いてみると「トラに襲われて負傷しているので保護している」と言っていた。
確かに左目の付近が傷ついていた。
写真を撮ろうとしたが、銃を持った兵隊がいるし、キャンプ内の撮影は原則禁止なので止めた。


私はアクティビティの合間に、よく宿泊施設を抜け出して個人行動をとる。
もちろん、モダマの情報を得るためだ。
もし、確実な情報があれば、滞在日数を延ばして、個人ガイドと共に森に入るつもりでいる。
そのためにも、宿専属のガイド以外にも、村人などとも多くのコンタクトをとりたい。
でも、そんな私の行動を中には不審視している人もいるらしい。
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と、言うのも事情はこういうことだ。
なんと、この村には、いたるところに大麻が自生している。リゾートの私のロッジの裏にもあった。
そこで、本等に大麻かどうか試してみた。
「えっ・・・?」そう、専門家の立場から試してみた。
ロッジの裏にあった一本を切り倒して、表皮を剥いだ。
表皮には長い繊維が含まれていて、こそぐと不純物が取れ、綺麗な繊維が残る。
本物の大麻だ。間違えない。「ペタン!!」太鼓判を押した音。
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それでも私は、時間があればロッジを抜け出し、地元の人と接触する。
森から薪を集めて来た人。川原で洗濯をする人。魚を捕る子供達。水牛(彼は何も話してくれない)
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水遊びする子供達を見つけたので、近づいて行く。
本等は後姿の写真を撮りたかったのだが、気づかれてしまった。
子供達はくったくなく、不意に訪れた外国人の私に、獲った魚を見せてくれたりした。
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少し離れた場所で、やはり子供達を見守っていた二人の老人がいたので、近づいて行き、
ポケットからモダマ種子を出して見せた。
「これをネパリネームで何と言いますか」と訊ねると「パングラー」と答えてくれた。
どうやら「パングラー」が本命らしい。
「これのある場所をしっていますか」と聞くと、川向こうの森を指差して「向こうにある」
という姿勢を示した。
「明日、ガイドしてくれないか」と尋ねたが、手を振って断わられた。
どうやら、乗り物を持たない老人にとっては、歩いて行くには遠すぎると、私は判断した。
(何しろ、お互い言葉が通じないので、身振り手振りで感じるしかない)
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アクティビティで良く同じグループになったネパール人若夫婦。
この日も一緒だったが、エレファント・サフアリは、四人が一頭の象に乗るので、
彼らは先の象に乗った。私は、次の多人数のグループの内、三人の女性と乗ることになった。
中国人で、坊さんと女性たちという珍しいクループだった。
ところが、この女性たちのお喋りなこと、乗っている間、喋っているか、あくびをしていた。
後ろから来る象に乗った坊さんたちに大声で話しかけたり、
一人がオナラをすると、他の女性が「うわ、象のオナラだ」と笑いこけたり、
とにかく、賑やかで、騒々しい。
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女性たちはみんな二十代後半ぐらいだったが、隣に座っていた子の左手には数字の刺青が施され、
消された痕が見られた。
ルンビニに巡礼へ行く途中、チトワンに寄ったのだろうと勝手に想像した。
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私にとって象乗りは、初めての体験だが、けして快適とは言えなかった。
女性たちのお喋りは別として、揺れ方が不規則でリズムが取れない。
きっと、横向きにすわっているせいだろう。
私は、森の中にモダマが生えていないか目をこらしていたが、
彼女たちは、鹿だ、孔雀だとさわいでいた。
これまで、片言の中国語で相手していた象使いのオジさんも、サイに近づくと口に手をあてて、
「シィー」と沈黙を即した。すると彼女たちは、それぞれが「シィー、シィー」と示しあって、
まるで漫画のようだ。
私とカシマシ娘の乗った象は、他の象たちよりかなり遅れて最後に、乗り場に戻った。
乗り場では、坊さんグループのマイクロバスと私たちのジープしかおらず、
ネパール人の夫婦が待たせていてくれた。
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その日は、夕食を早めに済ませ、ソウハラ村のカルチャーセンターへタルー族の踊りを見に行った。
近隣各宿泊施設がアクティビティとして組んでいるらしく大勢の人が集まった。
おそらくリゾート業者らが地域へ利益還元するための一環としてのイベントだろう。
竹の棒を使った組踊りや一人が孔雀を演じる芸は、
どことなく沖縄の芸能と共通するところを感じた。
孔雀の舞は、石垣の獅子に共通点が見られた。
その席で、偶然、隣合わせたのが日本人で、彼はJICAでブータンへ来ていて、
休暇でチトワンに寄ったと話していた。
最近、日本人に会ったのは、広島大学生のsinonomeさんカップルと彼だけだったので、
久しぶりに日本語で話しをした。
催しが終わってから宿のグループ同士トラックで帰って、
自分のロッジのテラスでタバコを吸っていると、隣のネパール人夫婦も戻ってきて、
彼だけ私の所へ来て「大丈夫か」と聞く。
何のことか意味が分からなかったが「楽しかったよ」と答えた。
「・・・うむっ」と思い当たり、「タバコ吸うか」と、ネパールへ来てから吸っているシクハルの
箱を差し出すと「自分は吸わない」と言って自分のロッジへ戻って行った。
心配してくれてのことだろう。

そんなわけで、リゾート施設でのチトワン体験は、
いたせりつくせりでいろいろ楽しませてもらったが、私の目的は果たせなかった。
はじめから、その可能性を予測していたので問題はない。
ただ、あまりにも個人的な行動が多すぎたのか、はたの人からは不審に思われた節がある。
それだって、道端に大麻が生えているのがいけないのであって、私のせいではない。
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夕暮れ時、一日の仕事を終え川原の土手で涼むガイドたち。
さよなら、チトワン。

by modama | 2013-04-11 13:11


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