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石垣島便り

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2013年 12月 15日

ENTADA NOTES その2

昨年度の一括交付金で市が「アンパルガイドブック」という冊子を発刊することになり、
その仕事に、今年の春まで携わった。
アンパルは、石垣島の湿地でラムサール条約に指定、西表・石垣国立公園にも含まれている。
内容は、その地域の保全と利用に関わるガイドを育成するためと、一般の人たちにアンパルをより理解してもらうものだ。
アンパルに生息する鳥類、カニ、エビ、貝類、昆虫、魚、植物、等などを網羅した図鑑でもあり、
地史から考古、民俗、歴史といった人文までも含めた。
私は植物を担当するかたわら、仮編集にも携わった。
各分野の人たちに執筆依頼したり、ページの割り当てをしたり、数人の編集委員と数カ月を費やした。
出来上がった冊子は、コンパクトに何処でも持ち歩けるB4サイズだが、編集の仕事ははじめてだったので、
執筆より大変だった。
執筆を依頼したカニ、貝の担当者が、石垣島在住であったが、ちょうどその期間、仕事でベトナムへ2年ほど
移住しており、メールでのやりとりが続いた。
最近は、PCのおかげで、どんな遠くの国に居ようが、原稿も写真も自由に受信することができる。
しかし、こまごました調整は、地元にいる人とは違い、数倍の手間がかかった。
他の人は、原稿が締め切り間際になってもあがらない人は、直接自宅へ行って尻を叩くこともできる。
(結構、編集は嫌な仕事ですね、書く方がいい!!)

今年の春になって完成した時、発刊祝賀会にカニ、貝を担当したKさんが仕事の任期を終えて帰島した。
その席で、Kさんから「ベトナムに居るとき、休暇で家族旅行したミャンマーでもらった」というモダマを
お土産にもらった。
それを見たとき「・・・・?」
「何処でもらったの」と聞いたところ、「チャウンターの市場のおばさんから」という話だった。
チャウンターとは、ミャンマー・ヤンゴンの西、ベンガル湾に面したリゾート地だ。
(どう見てももE phaseoloides に似ている)しかし、ミャンマーはE rheedii の分布域だ。
(図鑑等では、E phaseoloides として扱われているのだが)
「うわぁ~。行かなくっちゃ」「と゜うしても現場で、確認したい」
と云う訳で、とんだお土産をもらってしまった。

三月にネパールへ行ったばかしなのに、また、出かけなければ・・・・・。
実はネパールも図鑑等では、E phaseoloides 扱いになっているが、実際に分布しているのは
E rheedii で、E phaseoloides はインドネシア以東が分布域なのだ。

そんなことで、急きょ7月にミャンマー入りした。

チャウンターへ着いた日は、二日間も寝不足が続いて、すぐにビーチコーミングをしたので熱中症に
かかってしまった。翌日、自生地に行って調べたところ、やはりE rheedii だった。
ENTADA NOTES その2_c0023181_12261861.jpg

この写真は、ミャンマーで入手した一部、AはE phaseoloides によく似ている。
Bは、E rheedii によく似ている。
(さすが、林さん)ここだけの話だけど・・・・。

でも、実際にはすべてE rheedii になる。
(私だって、はじめはE phaseoloides かと思った)

現地で撮影した葉の写真を載せよう。
ENTADA NOTES その2_c0023181_1738188.jpg

ENTADA NOTES その2_c0023181_17383561.jpg

ENTADA NOTES その2_c0023181_1739645.jpg

小葉は主に4対、形はE rheedii に似ている。
(前出しのENTADA NOTE を参照されたし)

こんなこともあって、モダマ漂着種子の写真で種を決めることは、とても難しい。
でも、いろいろやってみることも大事だと思う。
植物分類学者だって、ああだ、こうだ、意見か゜分かれたり、間違って訂正しているのだから・・・・・

by modama | 2013-12-15 12:28


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