石垣島便り

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2015年 06月 12日

モダマを追って旅するアジア8-1,タイ、ラオス、カンボジア


四季のある温帯の気候では花の咲く時期がほぼ決まっている。
春の花の代表ともいえる桜では、3~4、それに5月にかけて開花前線が南から北へ移動する。

ところが、同じ桜でもネパールでは、年に二度開花するとネパール在住の人から聞いたことがある。

今回のモダマを追う旅は、タイ、ラオス、カンボジアの旅であった。
それも、できるなら花を見てみたいという目論見があった。
ことのはじまりは、古くからの知人であるDr,Tさんが昆虫採集に出かけた先で拾ったモダマ種子と写真の情報にある。
チェンマイとチェンライの県境の標高1200m程の地点に自生地があって、そこのモダマ莢は螺旋状をしていた。
この螺旋状莢の情報は、それ以前に石神さんからも得ていた。しかし、はっきりした自生地の情報が無かった。
また、私自身も中国のシーサーバンナやラオスのムアンゴイで螺旋状の莢は見ている。
いろいろな情報を繋ぎあわせると、莢の螺旋状はストレートの莢と隣接して飛び飛びに見られるようだ。
げんにDr,Tさんが昨年送ってくれたチェンマイ・チンダオの莢はストレートだったし、今回の旅でご一緒させていただいた
M氏が、その後行かれた採集地でのモダマ情報でもストレート状莢だったとのことだ。

これまで得られた資料は種子と莢の写真だけだったので、是非とも花と葉も見たかった。

そこで、Dr,T氏とM氏が当地へ昆虫採集に行かれるという話しを聞き、私も加えてほしいと嘆願した次第である。

両氏と合流したのは、チェンマイの街中にあるアパートで、某先生が研究の拠点にしているらしい。
普通乗用車に三人(現地運転手一人)の旅であるから楽勝と思いきや、資材が多く超満員だった。
お二人には思わぬご迷惑をおかけした。すみませんでした。
いざ出発。

ここまで張る写真が無いので、「モダマを追って旅するアジア」のこれまで行った先をまとめて地図にしたので載せておこう。
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今回の旅の行程は、タイ・チェンマイにて両氏と合流、Wiang pa pao にある山村に4日滞在、チェンマイに戻って両氏と別れる。
私はタイ・ラオス国境の街Chiang khong へ向かう。ラオスのHuay xai からボートに乗ってメコン河を下る二日間の船旅、途中、
Pakbeng で一泊、翌日Luangphrabang へ。周辺の山でモダマを探す。Luangphrabang からPakse へ飛ぶ予定が飛行機が無く、
予定を変更してVientiane まで飛ぶ、ここからもPakse への飛行機がとれず、再び予定変更してタイに入国、タイではKhon kaen,
Udon ratchathani,とバスを乗り継いでその日のうちにKhong chiam へ行き宿泊、二泊して再びラオスへ入国するがPakse へは
寄らず、そのまま国境から目的地のチャンパーサックへオートバイで行く。チャンパーサックではメコン河の島などに渡り三泊する。
チャンパーサックで購入したパクセ~プノンペンのインターナショナルバスチケットでカンボジアに向かう。これがとんだアクシデント
を招く。それでもラオス・カンボジアの国境を通過して夜にはプノンペンへ到着。プノンペンではメコンのダック島へ渡り奇跡の
再会をはたし、Kampong spueuでE,glandulosa の自生地で花を撮影する。プノンペンからバンコクへ、そして台北、沖縄、石垣島へと
帰還する。

今回は、当初の目的のE,rheedii (?) 莢が螺旋状の個体の花は見れなかったが、E,glandulosa とE,reticulata の新しい自生地と花を見ることができた。暑く、熱くきつい旅だったが、多くの成果を得た。
旅の途中でお世話になった方々に感謝、感謝。

三人の乗った車がチェンライ方面へ向かってしばらくすると国道を左折してはじめの山の村に着いた。
ここから先は普通乗用車では走れず、案内人のSさんが四輪ピックアップで迎えに来た。

彼の村は、十数件の民家と小さな製茶工場、学校、集会場からなっている。
以前、Dr,Tさんたちは、彼の家に泊めていただいたと話には聞いている。
村に着くとSさんは「家に行くか、山に行くか」と聞く。
来るなり山へ行くのも大変なので、躊躇していると、車はSさんの家の前を過ぎた道で止まった。
彼は山の斜面を指差し「山がいいか」と聞く、といっても彼は英語が話せないので、そお言っているらしい。
山の斜面を見ると小屋が建っている。「あそこに泊まるかと言っているらしい」
とにかく行ってみることにする。
斜面を登っていくと途中、中年のご婦人が斜面を掘り起こして階段を作っていた。
どうやらこの日のために小屋を作ったらしい。
電気、水道、シャワーも完備されていた。
もちろん、この小屋に泊まることになった。
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小屋から眺める村の風景もすばらしい。
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その日の夜から夜間採集がはじまった。
うひゃ~、すげ~、虫の集まり方がはんばじゃない。
私も虫採りのお手伝い。
「うわぁ~、カブトムシだ。これ採る?」「・・・いらない」
「クワガタも来た、これ採る?」「・・・いらない」
「カナブンは・・・」「・・・いらない」
「何だ、なんた。こんなに虫が来ているのに・・・」
Dr,Tさんは、黒くて小さくてマイナーな虫ばかりを採っている。一方、Mさんはカミキリムシばかしだ。
それも「これは、もういらない」とか言ってポイと捨てる。
とにかく蛾がすごい、ばさばさと音をたてて飛んでくる。
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翌朝になっても蛾は沢山白布に止まっていた。
こんな綺麗な蛾も着ていた。こんな蛾の繭から糸を作りたいナ~。
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翌日の日中はモダマの自生する山へ連れて行ってもらった。
Sさんが運転するピックアップの座席に両名が座り、私は後部の荷台に乗った。
地形や植生を見るためだ。
村を出て、小さな稜線を超え、くだりにさしかがった時、右手にモダマがあったので、運転席の屋根を叩いて車を止めてもらった。
「サブァーがあるゾ」タイでは、モダマのことを「サブァー」と呼ぶ。
Sさん「こんな所にもあったのか~」彼が案内してくれようとした場所ではないようだ。
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それにしても高いところに莢がある。
ちょうほうなのは、虫屋さんが同行していることだ。長い竿とネットがある。
幾つか莢のサンプルを採る。
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次に、彼らが昨年種子を採って送ってくれた場所へ行く。
ちなみに、はじめにモダマを見つけた場所が「サブァー1(ワン)」その次が「サブァー2(ツゥー)」と呼ぶようになった。
山の中の場所を説明するには、こんな風に何かがある場所とみんなで記憶すると分かり易い。
サブァー2へ行く道では、電信柱を設置する工事が行われていて周辺の森の木が切られている。
(と言うことは、この先の村では今だ電気が無いのだ)
昆虫採集には、枯れ木があるので最適な場所だ。とくにカミキリムシには・・・。
ここにはモダマの他にMucuna もあって、ちょうど莢が裂開しているところだった。
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この地点でめいめいが別れる時、「虫を見つけたら採っておいてネ」と長竿のネットを渡されたので、それで莢をゆすると種子が
沢山採れた。林床に落ちた種子はほとんどが虫に食われているので、サンプル採りには最適である。

そんなわけで、この日は片目はモダマ探し、もう片目は虫探しで森を歩いた。
結果、開花期にはあたらず残念であったが、葉を見ることが出来DNAのサンプルが得られた。
小屋に帰ってから採取した螺旋状の莢を撮影した。
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モダマ莢の枠を外枠と内枠に沿って計測した。92cm:44,5cmだった。
でも何かおかしい、外枠と内枠の長さ、太さ、成長速度で莢が螺旋状になるのだろうけど・・・

その疑問をもやもやと頭の中にいだきつつ、旅を続けたわけだが、
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カンボジア・プノンペンの日本居酒屋でビールを飲みながら
枝豆を食べていて「ふっ」と思いついた。
やっぱりおかしい!!
さて、何がおかしいのでしょう。それは宿題にします。分かった人は手を挙げて。

翌日は、Sさんが別の場所へ案内してくれた。
(以下、昨日の文書を少し書き直します)そこでは、モダマの成果は少なかったが昨年ボルネオで実と種子を確認したHodgsoniaの仲間 を
採取した。ボルネオのものとは種子の形態がかなり異なり、与那国島に漂着した種子の方がボルネオ産に似ていた。アジアに分布する
この属の分布を調べるとボルネオ産はH,macrocarpa で、タイ北部に分布するものはH,heteroclita らしい。



c0023181_11015977.jpgご覧のように種子の甲が明らかに高い。


案内人のSさんはかなり気をつかってくれて、
いろいろな場所へ連れて行ってくれた。
もちろん、モダマの自生している場所は限られてい
るので「はずれ」の場合もある。それはそれでよい。
全体像を把握するには必要なことだ。
言葉が通じないのでとにかく一緒に行動してくれて
示してくれることがうれしい。
ところが、中には間違えもある。
「小さいモダマがある」と言うので連れて行ってもらった。ところが、これは誰でもが騙される別種だった。
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さて、こいつにも名前を進呈しておかなくてはいけないだろう。「(新称・モダマダマシ) と・・・。

タイでの報告はこれぐらいにして、みなさんにお土産。

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by modama | 2015-06-12 09:22


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