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石垣島便り

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2015年 07月 19日

タシロマメが小さな莢をつけた

屋根の上の観察は続いている。
今では、梯子も常備されいつでも登ることができる。
しかし、午前中か夜でないと屋根の上は暑くて耐えられない。
照り返しの陽射しで、すぐ焼き豚状態になる。

今はE,parvifolia の花以外にタシロマメとゴバンノアシが咲いている。
昨日はタシロマメの子房を写真に撮った。
少しの風でも被写体が動くので、三脚にセットしたカメラのファインダーを長い間覗いていなければならない。
すると、足下から熱が攻めあがって来る。
タシロマメが小さな莢をつけた_c0023181_12403739.jpg
タシロマメが小さな莢をつけた_c0023181_12411608.jpg
タシロマメの花の子房も発達していないものが多くある。
なかには花序全部が不稔なものもある。
大嵩集落下の川平湾近くの自生地でも、莢の着かない年があるので、石垣島ではこれが通常なのだろう。
種子も外国産と思われる漂着種子より小型のものが多い。
海流散布のように長距離散布された個体は、行き着いた先の環境がもともとの環境とは大きく異なることがあるので、
適応していくには、長い時間も必要だし、結果として変異したり、適応しきれずに消滅したりするのだろう。
これらのことから多様性が生じる場合もある。

最近は、これらの事をDNAの解析で調べるのが流行っている。
それもそうだ、長い時間をかけて観察していたのでは、大学在学中に論文を仕上げることができない。
手っ取り早く結果がだせるのは魅力だろう。
でも、研究が偏らないかとちょっと心配もある。

自分の研究発表した植物の全体像を知らない人もいる。
他の人から譲り受けたサンプルの乾燥した葉っぱ一枚だけしか見たことが無く、立派な論文を書いたりする。
まあ、行ったことの無い星を詳細に論ずるのと同じことかな。
でも、ちょっと寂しい。

by modama | 2015-07-19 13:08


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