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石垣島便り

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2007年 05月 20日

コノハズクの宿パート4

コノハズクの宿パート4_c0023181_11233677.jpg

                おかしな顔に見えますね。口のように見えるのは
                首の羽の色です。

スクランブル発進

今日の午前10頃、パソコンの前に座っていると庭の北東側にある木でカラスが鳴いた。
まもなくして遠くからそれに応える声も聞かれる。
北東側にいたカラスは、コノハズクの営巣している南東側に移って再び鳴いた。
すると、営巣地の北側のフクギで見張っているコノハズクが、すぐさまスクランブルをかけた。
一声鳴き声を残してカラスは退散した。

以前、訪れたカラスは巣のありかを確信し、隙を窺っているようだ。
まずは、先発隊の一員をよこし、遠巻きに待機している連中に「今から決行します」と合図を送る。
そして、巣に近づいたがスクランブルをかけられ、遠巻きの連中に失敗を告げ逃げ去ったのだろう。
この様子を観察していると、お互いの作戦が読めてくる。
カラスは集団で行動するが、はじめからではなく、まずは先発隊に様子を探らせ、
ことの成り行きを見守って集団の力を発揮するのだろう。
用心深く事を運ぶ。
しかし、今回のように隙が無いとみるとすぐさま逃げ去る。
何が何でもと言った実力行使をすぐさまする訳ではない。
もし、カラスが集団で事を起こせば、見張りと子育てをしている二羽のコノハズクではかなわないだろう。
例え一対一で戦っても、コノハズクには鋭い爪があるものの、
体の大きさが二倍以上もあるカラスが有利かも知れない。
いや、この場合、その場の有利不利は問題ではなく、お互いに傷つく。
野生の生き物は、負傷することは死に繫がるケースが多い。
たとえ集団で行動していても最終的には、個が餌を得るからだ。長い休養は許されない。
だから、どちらが強いかは別として無闇な闘争はできるだけ避ける、というルールができる。
その原則にしたがって生きているのであろう。
コノハズクも基本的にそのルールを活用して護りの体制をとる。奇襲である。
普段、巣の近くで見守っているものの姿をおおっぴらには見せない。
隠れていた場所からいきなり攻撃を仕掛ける。カラスは奇襲に驚き悲鳴をあげる。
すると、遠巻きに待機していた集団は、その合図で事の失敗を判断する。
もし、コノハズクが奇襲に失敗して劣勢にたち、
カラスが優位な合図を送れば集団行使がなされるかも知れない。
微妙なバランスだ。
圧倒的に強い猛禽類であれば、自分の姿を誇示することも作戦のひとつであろう。
しかし、個と集団の戦いとなれば、個の戦いで傷つきながら勝っても長い目でみた
種の戦いでは結果として敗れる。
種として命を繋ぐことが優先されるであろう。
「森の賢者」はいろいろなことを教えてくれる。

by modama | 2007-05-20 11:10


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