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2009年 03月 10日

毒を嗜好する人々

先日、石垣島に用事があって来島したゲッチョさんと久しぶりに会った。
そして数日前、一冊の本が届いた。タイトルは「野菜探検記」。
前出しのブログでヒカマをイノシシが食べなかったと言う話を書いたので紹介しておこう。
この本の中にも「野菜の毒」の話が第一章で出てくる。

植物は自己防衛や自己維持のためにいろいろな化学物質を生成し蓄える。
植物対植物や対昆虫をはじめとする動物、細菌、また、紫外線のような自然界の弊害に備えるためだ。
それを人は、薬や毒や染料として利用している。
とりわけ人間は、幅広い植物を食べたり、利用している。
他の生き物にとっては、毒であるものまで・・・
かく言う私は、今、PCを打ちながらタバコを吸っている。
植物が化学的防衛物質として生成したアルカロイド系のニコチンをこよなく愛す。
体によくないことは百も承知しながら・・・

野菜に含まれる「毒」も人は、へいきで食べる。
タマネギなどは犬にとって中毒症状を起こすというのに。
人は摩訶不思議な生き物である。
ゲッチョさんは、このことを文化と結びつけて考える。
まさにそのとおりだと思う。
それにしても人のたくましさよ。

ヒカマに含まれる「毒」ロテノンは、同じマメ科植物のデリスなどにもある。
人は魚毒や殺虫剤として利用してきた。
イノシシがサツマイモ畑に植えられたヒカマの芋を食べなかったのは、
このての成分に敏感に反応したからであろう。
人にとってはさほど影響はないのかも知れない。
Mさんが寄こしたメール添付サイトの持ち主は熟した芋はより旨いと書いている。
言い換えれば、ニコチン1mgのタバコよりピースの方が旨いということになるのだろうか。

先日、会ったつくばの研究者は、桑に含まれるアルカロイドが他の昆虫にとっては
毒であるのにお蚕さんはその働きを阻止して食べることができると話していた。
「毒」と言っても、糖を分解させない物質で他の昆虫は食べても栄養にならないのだそうだ。
人はまたその物質を利用して糖尿病の薬としている。
毒も使いようによっては薬になるという話だ。

植物や菌が生成する色素も同じことが言える。
人にとって有効に利用されているが、もともとは植物や菌が自己防衛や維持のため
に作り出した化学物質だ。
ある時、工房で絹糸を干していたら色が染まってしまった。
その時は、曇天でなかなか糸が乾かなかったのだが、染めたはずの無い色が糸に染まっていた。
不思議な出来事なので、友人の研究者に聞いてみた。
しばらくして、回答がきた。「群馬県でも同じ出来事があり、現在、染料として開発中である」
真相は、カビの色素なのだそうだ。抗菌物質としての働きもある。
糸を干している間に目に見えぬカビが生え、その色素が糸を染めたのだ。
カビは他の菌類から自らを守るために行ったこと。
やがて、その色素は「抗菌作用のある染料」として商品化された。

ほぼ同時に同じ出来事に遭遇したのに、情報量や研究機関にアクセスしやすい群馬県に
幸運の女神は微笑んだ。
しかし、製造にコストがかかるのと、カビが作り出した染料というイメージからか
あまり脚光を浴びていないようだ。

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by modama | 2009-03-10 10:35 | Comments(0)