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2014年 02月 28日

ナンテンカズラ

27日の午前中、観察会があってアンパルへ向かう途中、名蔵湾沿いの県道で見事に咲き誇っている
ナンテンカズラがあったので、車を止めて写真を撮った。
アンパル干潟では、まだ、蕾だがここのは2月だというのに花盛りだ。
テトラポットの隙間に漂着した種子が成長しているのは、数年前から知っていたが、
今度は、この株が種子を送り出すまでになった。
だが、テトラポットの手前には、コンクリートの護岸があって、次はアスファルトの県道、これから先、陸には上がれそうにない。
人が作った防御壁は、自然の営みを阻害する。
かと言って、漂着植物がどんどん内陸部に進出するかと云えば、そうではない。
ただ、「可能性」の芽生えなのだ。
結果は、数千年、数万年後にどうなっているか、・・・知る人もいない。
しかし、無ければ、はじめから「可能性」もゼロということだ。
繰り返し、繰り返し、渚に波が打ち寄せるように「命」が芽生え、消えていく。
その繰り返しの中で、たまたま、「命」が繋がり、今の風景があり、島の植生がある。
黄色い泡が渚に咲いた。
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観察会の集合場所に行くと35名程の参加者が集まっていた。
今回の担当講師の先生と前もって、コースの選定をして、できるだけ干潟の奥へは入らないようにした。
これだけの人数で干潟を歩きまわると、渡りで来た鳥たちを驚かすし、マングロープの根を踏み荒らすことになる。と云っても、人が入れば、必ず根の皮がはがれたりする。
そこは、自然の回復力に頼るしかない。
今回は、マングロープ林背後地にあるミミモチシダの群落も避け、
かつて田圃であった現在の湿地に僅か自生する個体を見ることにした。
草深い湿地で、みんながぐるりと取り巻いて、ミミモチシタを観察した。
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by modama | 2014-02-28 23:23 | Comments(0)
2014年 02月 21日

Mucuna nigricans

日本や台湾、中国の植物図鑑では一部、カショウクズマメにMucuna nigricans の
学名が付けられているものがある。
そんなことから、私も一時期、この学名を用いてしまったことがあった。

昨年三月、ネパールへ行って偶然見つけた(詳しくは、このブログのネパールのページを見てください)
を調べているうちに、それがMucuna nigricansであって、カショウクズマメはMucuna membranacea の
学名が正しい事に気付いた。
カショウクズマメは、台湾の火焼島(現在の緑島)を基産地として付けられた和名で、その他、日本の
八重山諸島などに分布する。(これらのことは、現在、研究中の人がいるのではぶく)

それにしても、まったく別物の学名があてがわれていたことに驚きをかくせない。
日本産モダマの一種Entada parvifolia もそうであったが、一度、間違って書かれてしまうと
書物の場合、なかなか訂正がきかない。

以下にMucuna nigricans と思われる写真を載せておくが、私は植物分類が専門でないので、
もし間違っていたらご連絡ください。写真はネパール・ポカラ産。
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(Kさんからメールが来て、マメの写真を載せてくれ、との要望がありました。やはり、安もののカメラでは、
奇麗に写らず、もう一台のカメラで撮ってみました。これも安もののカメラですが)

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by modama | 2014-02-21 10:42 | Comments(0)
2014年 02月 17日

カショウクズマメ

犬の散歩コースは幾つかあって、冬の風の強い日は、裏山に沿った渓流沿いの小道を行く。
ある日、家から50mぐらいの谷への坂道で、カショウクズマメの種子を拾った。
種子には模様がなく無地だったので「珍しいな」と思い上を見上げると電話線にツルがからまり、
まだ、莢が幾つか残っていた。
犬の散歩が終わってから、竿で莢を叩き落とし、中の種子を見たらみんな無地だった。
それから数年後、そこに落ちている種子は、みんな模様の入ったもので・・・?
と何げなく疑問に思ったが、とりたてて考えることもなく年月がたった。
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先日、台湾大学と林業試験場の先生、それに学生が来たとき島の植物を案内していて、
ある場所でカショウクズマメを見ると、そこのも種子が無地だった。
「あれ、ここの種子は一昨年、模様があったのに」・・・?
不思議に思い、みんなが別の島へ行ってから一人、竿を持ってツルに残っていた莢の種子を調べた。
みんな種子は無地だった。

家の近くのも、ここのも同じ株のはずなのに年によって種子が無地であったり、
模様がついたりするのだろうか?

そお云えば、以前、このブログでワニグチモダマのことを載せたが、その時の種子の色は黒みが強かった。
そこの株は、昨年の秋に拾った種子はみんな薄茶色だった。
種子の色の変化はよくあることだが、模様が入ったり、無地になったりする例は珍しい。
カショウクズマメの種子の場合、基本的には模様入りと認識している。
つまり、何らかの理由で模様が消えたのだろうと考えている。

何年も観察していると不思議なことに出会う。

by modama | 2014-02-17 11:27 | Comments(0)
2014年 02月 15日

ヨナグニトキホコリ

先日、石垣島で長年植物をやってこられたM先生とヨナグニトキホコリの自生地を見に行った。
ヨナグニトキホコリは、書物に「与那国固有種」と書かれ、絶滅危惧種IAに指定されている。
しかし、石垣島でもこれまで二か所自生地が確認されている。
その一ヶ所に先生と行ったわけだが、近年、人の入った形跡もなく順調に生育していた。
琉球石灰岩に根をおろすその植物は、群生しているもののわずかな面積だけに限られている。
先生は無事な姿を見て大変喜んでいた。
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それからまもなくして、別な場所の自生地も確認することができた。
そして、時をほぼ同じくしてカメラマンの北島英雄君からメールで、
「ヨナグニトキホコリらしい植物を撮影したのだけれど確認してくれないか」との連絡が入った。
そのタイミングは、まるで私たちの行動を追跡されているかのように、その時は思った。
しかし、電話で詳しい話を聞くと、昨年、別な場所で撮影したと言う。
そんなことから、北島君に案内してもらって、自生地を確認しに行った。
これまで知られている与那国にしろ石垣島にしろ、琉球石灰岩のある場所に自生していたのに対し、
そこは変成岩の谷間だった。
これで、与那国と合わせ四か所の自生地が確認されたことになる。
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私はこれまで図鑑や書物の呉記載に出会い、随分戸惑った経験がある。
モダマにしろ、中国名「大青」にしろ、それらの誤りを正すのに長い年月を要した。
(大青とは、Clerodendrum cytophyllum 日名・マキバクサギ)
「大青」が「藍含植物であり、古くから利用されている」との文を読んでから二年も台湾、中国の資料を調べ、
結局、日本に居てはらちがあかないので、台湾へ行って実物の植物を探してテストすることになった。
その時、台湾の林業試験場の先生方にお世話になった。
呂、陳、両氏に案内してもらい山へ行って「大青」の葉を採集し試験場で調べたところ、
藍成分は含まれていないことが判明した。
その後、試験場の資料室で本を片っ端から調べたところ、台湾大学の先生がお書きになった本が、
呉記載のはじまりで、その文を引用した「特用植物」と出会ってしまったことが分かった。
(この大青はクサギの仲間で、実を使って青を染めることはできる。しかし、藍成分は含まれていない。
また、同じ名前で大青があって、これはアブラナ科の植物で藍成分を含んでいる。この同名の二種を
混同したものと思われる)

本は一度、書いてしまうと後々まで残る。それも数十年もの間だ。

その間、その本を読んだ人は、書かれている内容を信じてしまう。
図鑑などは特にそうだ。
一方、学名の変更などは、いたしかたない。
今は、ITの時代だから随時新しい情報を流せる。

ヨナグニトキホコリの「与那国固有種」に関して、石垣島でも自生が確認されていることをある先生に
たずねたら「2003年から知っています。今、研究中です」との返事が返ってきた。
すでに10年以上の時がたっている。
先生にもいろいろ事情があるのだろうが、
一般の人は、今でも「与那国固有種」と書かれた文を読み信じている。(信じている人もいる)

by modama | 2014-02-15 09:52 | Comments(2)