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2014年 05月 30日

ボルネオ漂着モダマその後

見知らぬ種子を蒔いた時は、いつでも、どんな植物になるのか新鮮な期待がある。
あらかじめ推測していると期待は不安にもなる。
今回のボルネオ漂着種子は、モダマだった。
と書くのもちょっと変で、はじめから「ボルネオ漂着モダマ」と書いていながら、今更何だということになる。
でも、種子の見極めは、それほど難しいし、とにかく特徴を示すものがなく、
中には「他人の空似」ということもある。
昆虫などは、成虫であれば全体の形態を見ればあるていど判断ができ、似たものでも、触角の節の数、
長さ、や、点刻などを比べ、最終的には、交尾器で判断できる。
それでも、種子のような「卵」で区別するには、顕微鏡を覗き卵表面の凹凸模様で同定するようになる。
シジミチョウのゼフィルス類などは、卵の図鑑すらある。

昆虫類は卵が孵化すれば、幼虫もしくは幼体に成るが、この幼虫も詳しく調べられている。

それに比べ植物の種子は、まだまだ資料が少ない。まして南洋の島の植物など、
まだ、まだ、分かっていないことが沢山ある。
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四月に発芽させた漂着モダマは現在、上のようにまで成長した。
種皮が破れ、根が伸び始め、やがて子葉の間から幼芽が見えはじめた。

幼芽はツルとなって伸長し、第一葉を着けた。
第一、二葉は、葉軸と先端の二又に分かれた巻きひげだけだった。
モダマ属の葉は、基本的に偶数羽状複葉である。
葉軸は、対性で枝分かれし、そこに小葉が対生する。
つまり、葉軸に小葉が左右着いた部分を「羽状」として、それが本葉軸の左右に着くので「複葉」としている。

第三葉は、(本来の)複葉がひとつだけで、小葉は二対だった。
第四葉から、複葉となり、小葉は二対で、現在、第七葉まで展開している。

この小葉の数と形は、これからも変化し、2年目頃から本来の形態になる。
気の長~い話ですね。
生育過程では水管理もありますし、途中、冬を越したり、台風にあったりします。
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写真最後の左側の葉が、第三葉で、複葉が片方しかなかった。

by modama | 2014-05-30 12:53 | Comments(0)
2014年 05月 20日

キジを拾う

昨日、タバコを買いに近所の売店へ行く途中、道にキジが落ちていた。
触ってみると、まだ体温も温かく死後まじかであった。
これといった外傷も見当たらなかったが、車と衝突したのであろう。
近年、このコウライキジが増えて問題になっている。
私が島に来た30数年前には居なかった鳥だ。

もともとは、島の猟友会が狩猟鳥として、島の北東部の半島に導入した。
ところが、みるみる数を増やし、今では全島に生息するようになった。
そして、畑を荒らす害鳥と化した。
今では、有害鳥獣駆除の対象として補助金が下り、猟友会が駆除している。
皮肉な結果である。
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随分昔の話であるが、私が県の鳥獣保護員をしている頃、
それまでイノシシ猟をしていた人たちにも狩猟免許を取得させる必要にせまられた。
従来、畑を荒らすイノシシを獲ることは、人の営みの自衛であって、生活の一部でもあった。
それが、試験を受け、税を払って「猟」をする時代に変わったのだ。

これまでイノシシを獲って生活していたKさんは、長い経験から試験はパスするものと思って臨んだ。
ところが、試験を終えたKさんは、しきりに頭をかしげる。
「見た事も無い鳥がでてたサー」というのだ。
問題の内容を聞いてみると、銃猟して良い鳥といけない鳥としてシルエットが描かれていて、
良い鳥に○をしなさい、というものだった。
Kさんいわく「尾羽根の長い見た事の無い鳥が描かれていたので、珍しい鳥だな」と思い×にしたと云う。
それだけではない、島暮らしのKさんには、知らない内容が一杯あった。
結果、ベテランの猟師ではあるがKさんは狩猟試験に落ちた。

そのキジが、今では狩猟鳥どころか、害鳥になっている。

by modama | 2014-05-20 10:45 | Comments(0)
2014年 05月 19日

ボルネオ漂着モダマ日誌5

N さん、Y さんメールありがとうございます。
その後のボルネオ漂着モダマの写真を載せます。
鉢で発芽しているのが、漂着モダマです。
ツルが20cmぐらいになっています。
手前の白い皿にあるのが、5/8日にヤスリ掛けして吸水させ、5/15日に吸水完了したので、
鹿沼土に埋めたEntada borneensis です。まだ、種皮は破れていませんが、
ひとまわり大きくなって、直径6cmぐらいになっています。

漂着モダマとの大きさの差が見てとれると思います。

鉢の後ろに見えるのが、10年ものの石垣産Entada phaseoloides です。
ツルの長さは、30mぐらい(それ以上広がらないように剪定しています)で、工房の屋根を覆っています。
右側に見える葉はウコンです。
そこには、タシロマメとゴバンノアシが生えています。
ゴバンノアシは、今、30cmほどの葉を落とし、毎日のように掃いています。

ボルネオ漂着モダマ日誌は、とりあえずこれでお仕舞い。
葉が展開して、種が断定できたらお知らせします。
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by modama | 2014-05-19 13:08 | Comments(0)
2014年 05月 15日

ボルネオ漂着モダマ日誌4

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昨日から少し心配していることがある。
それはカサブタ(種皮)を剥がしたことではない。
子葉のハート形ともう一枚の子葉中央にある歯状の領だ。
これまで多くのモダマ種子を発芽させてきたが、あのようなものは無かった。

まったくことなったEntada なのか、さもなくばEntada にかなり近縁な属の種子なのか・・・
昨日の晩、種子の写真をつくずくと眺めた(種子の実物はもう無いから)が、
どう見てもモダマのように見える。
新しい出会いは、いつも不安を伴う。

いずれにしろ、葉が展開すれば結果は分かる。
待つしかない。
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by modama | 2014-05-15 14:57 | Comments(0)
2014年 05月 14日

ボルネオ漂着モダマ日誌3

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5/12日撮影
いよいよ種皮が割れ、中の子葉が開きはじめた。
子葉の僅かな隙間から幼芽が見えないかと覗きこむ。
しかし、中は暗く何も見えない。
種皮が早く取れたらいいのにな~。
少し、種皮を持ち上げてみる。でも、結構固くて動かない。
すると、どうしても剥がしてみたくなる。
なんだか、せっかく治りかけたカサブタを一度いじりはじめると、無性に剥がしたくなるような気持ち。
痛いのを我慢して、最後、気合いを込めて「むっ」と一気にはぎ取ると、案の定、血がでたりする。
分かっていたのに・・・どうしようも無い性分だ。

そこで、後悔をしないように二本のピンセットを使って、上下の種皮を剥がしにかかる。
待てばいいのに・・・と思いつつ、実行してしまう。
(良い子のみなさんはマネしたらだめですよ。後で「データの捏造とか改ざん」と云われますよ)

どうにか上の種皮が取れた。
子葉を見ると、これまで見てきたモダマとは違ってハート形をしている。
上の子葉がハート形なのに対し、下の子葉は嘴のように出っ張っている。
何かこれまで見てきた子葉と違うようだ。
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5/14日撮影。
幼芽も顔を覗かせている。

さて、どんな葉が展開するか楽しみだ。

by modama | 2014-05-14 11:32 | Comments(0)
2014年 05月 10日

ボルネオ漂着モダマ観察日誌2

昨日は、地域の小学校から頼まれてホタル観察会をした。
昨年より、ホタルの発生は少なかったが、子供たちはみんな楽しんでいた。
PTAが主催のようで、引率の先生は校長一人だった。
学校児童数12名、ことしは新任の先生が5名ということだが、勤務時間外の行事なので、
先生たちは、帰ってしまったのだろうか。
子供たちと一緒に楽しめばいいのに・・・と思うが、
最近は先生たちもこんな風に割り切って対処しているようだ。

これまでに四回、ホタル見をお付き合いしたが、このシーズン最後だろう。

石垣島は、すでに梅雨本番で、気温27度、湿度?(80%くらいかな)けだるい。
さて、夏休みの自由研究のような「ボルネオ漂着モダマの観察」は、
こんな状態になった。
種皮は水平に裂け、根が4cm程伸びた。(子葉の中では胚軸も伸びはじめているだろう)
しかし、閉じたままの子葉からは外に出ていない。
今回は、一個の漂着種子の「種」を調べるための発芽だから、
できるだけ、そっと、観察をしよう。
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by modama | 2014-05-10 13:03 | Comments(0)
2014年 05月 09日

Entada borneensis

一昨日の夕方、お酒を飲んでいたらテーブルにある封書に気付いた。
送り先は日南市のYさん。早速、封を切って中身を見ると「・・・?」「おせんべい・・・?」ではない。
メモには「ボルネオの莢」と書かれてある。すると「○○○・・・」に決まっている。
早速、莢(分離節果)の中にある種子を見てみたい、という衝動にかられる。
「待て、まて、まてよ・・・写真を撮ってから」と、逸る心を抑える。明日にしよう。
その夜は、YさんとNさんにCCでお礼のメールを送る。

翌朝、写真を撮るにあたって「単独では、この大きさ、種子と分離節果のバランスが分からないな」と思い、
石垣島産のヒメモダマと並べて撮ることにした。
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学術的に解説すると、右側の小型ではあるが、アンコの占める割合の多い方がヒメモダマ。
左側の大型であるが、アンコの占める割合が少ない方がボルネオモダマ。
どら焼きの場合、皮の部分のカステラと中のアンコの割合が問題になる。

ボルネオモダマの場合、一見、薄いおせんべいの様に見え、中のアンコ(種子)の存在感が少ない。

いっそのこと、もっと分離節果を大きくして、アルソミトラのような翼果になればいいのに・・・と思う。
まだ、昨日の酔いが残っているのかな。

いずれにしろ、最近はボルネオ情報が頻繁に届く。これは「早く、探しに来い」という誘いなのだろう。

by modama | 2014-05-09 13:05 | Comments(2)
2014年 05月 02日

ボルネオ漂着モダマ日誌

世界は巡りめぐって繋がっている。
島も大陸も海に囲まれ、海は世界を繋げている。
島に暮らしていると、島は海で閉ざされていると思う事もあるが、
一方、海で遥か彼方の地と繋がっていると実感することも多々ある。

この島は亜熱帯海洋性気候と定義づけられているが、間近に迫った梅雨入りは、
遥かインドを吹き抜ける南風の影響を受けている。
梅雨前線は、沖縄から北上して、やがて、内地にも訪れる。

海の黒潮も空の偏西風も大陸と島を巡って世界と繋がる。

先日、漂着物学会の仲間Yさんから、封書が届いた。
「ボルネオ在住の方から頂いた、ボルネオモダマをさしあげます」
封を開けて「・・・・?」これなんだろう。
モダマとおぼしき種子が三個あり、ひとつはEntada phaseoloides もうひとつはRntada rheedii、
しかし、いまひとつが見た事も無いもの・・・・・。
「えっ、・・・こんなモダマあるのかしら・・・」
大きさは2,5cm程であるが、チビモダマ系でもなさそうだ。
かといって、上で挙げた二種にしては小さい。
まずは、写真をアップしよう。
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ちいさいモダマ種子といえば、ちょうど、Yさんからボルネオモダマをいただいた時、
「漂着モダマ展」のWeb制作中で、与那国のユキさんから彼女の集めたモダマが手元に届いていた。
それを見ていると、Entada rheedii と思われる小さな種子もあった。
「漂着モダマ展」でも載せたが、比べるためここにも載せよう。
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与那国のユキさんが拾った漂着モダマは、やはり2,5cmぐらいと小さいが、形からしてE rheedii のように思える。Yさんのは、雰囲気が違う。
Yさんにメールで、このモダマ種子の出所を聞いたところ、ボルネオ在住のNさんから頂いたと云う。
そこで、Nさんにメールで聞いたところ、「拾った所の記憶はないが、漂着ものだろう」とのことて゜あった。
ボルネオの海岸から、宮崎へ、そして石垣島に、今度は人の手をつたって流れ着いたことになる。

「それでは、このモダマの正体を知るために発芽させよう」ということになって、4月19日「ヘソ灸」をして
水に浸した。まもなく種子が吸水したので、皿に鹿沼土をいれて蒔いた。5月2日今日、発根が確認された。
つぎは、ツルが伸びて葉がでるのを待つばかしだ。そう、そう、いろいろな人の手を経て、巡り巡って石垣島に来たモダマだから、
このブログで公開栽培をしようと思いたった。
ボルネオのNさん、宮崎のYさん、これから成長過程を日誌でお知らせしますので見てね。
発根の様子をアップします。
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ボルネオの海岸に漂着して、石垣島で発芽しはじめたモダマです。

by modama | 2014-05-02 13:14 | Comments(0)