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2016年 08月 31日

ハナバチと遊ぶ

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花とチョウ、花とハチの関係は花粉媒介者として多くの人が知っている。確かにミツバチが花を訪れ脚に沢山の花粉を着けている姿は見た人も多いだろう。しかし、ミツバチが他の花の雌蕊に花粉を受粉させる瞬間を見た人は稀ではないだろうか。人は本などで一度知識を得るとそれらが当然な出来事のように理解してしまう。受粉の瞬間など小さな雌蕊の先端の出来事をはっきり確認することは難しい。何せハチの動きはせわしいし、雌蕊に着いた花粉が前からあったものか、今、着いた物かの判断は肉眼ではできない。
写真はハマナタマメの花に訪れたハキリバチの仲間。背中の上に雌蕊と雄蕊がある。
最近、ハナバチの観察をはじめた。もう、季節は終わろうとしているが南の島では11月頃までは可能だ。
もうひとつ、モダマの花も秋に受粉するらしいことが分かり、さらに詳しく観察したいと思っている。本来、モダマの花は熱帯では乾季の終わり、雨季のはじめに開花する。しかし、亜熱帯の石垣島では自生するE. phaseoloidesの花は一年中咲いたりして、そのほとんどが子房の発達をみない。自生しない種を栽培しても秋に花を咲かせる。そんなこともあって植物の性に興味を持ち始めた。
本から得た知識を再確認すると共に、モダマのように本には書かれていない性のシステムを少しでも理解したいと思っている。

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写真はハキリバチの背中に着いた花粉とハマナタマメの竜骨弁から顔を出した雌蕊。花とハチのサイズもあっているようだ。蜜をもらって花粉を運ぶタイプなのだろう。
しかし、ハキリバチにとっては背中に着いた花粉は自身では利用できないだろう。

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写真はデゥランタの花で吸蜜するアオスジコシブトハナバチ。
この花は花筒の中に雌蕊と雄蕊が収まっている。
ハナバチにとっては蜜を吸うだけの花なのかも知れない。
花は特別な形をしていない。
ハチの口吻辺りに花粉を託すのだろうか。あるいは別の昆虫に受粉を委託しているのだろうか。観察している限りアオスジコシブトハナバチが優占していて、他にはホウジャクが訪れる。ホウジャクはホバーリングして花には止まらず、これもまた長い口吻で蜜を吸う。
しかし、結果としては受精して多くの実を着けて鳥によって散布され周辺で発芽が確認されている。花粉媒介者や具体的な受粉システムは分からない。
植物自体は園芸種である。

我が家の庭にはデゥランタの木が数本あっていずれの花にもアオスジコシブトハナバチが多く訪花する。それでは他の場所の多種の植物ではどうだろうかと調べてみた。

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園芸種で名前はまだ調べていない。(どなたか分かりましたら教えてください)
この花にも多くのアオスジが訪花していた。


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アオイ科の花で一般的なハイビスカスとは少し異なる園芸種。大型の花なので受粉にはあまり役にたたないと思われた。吸蜜オンリーなのだろうか。

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自生種ホウライカガミに訪花した同種。ホウライカガミは地味な花だが各種の昆虫が集まる。他のハチ類やチョウも来る。海岸の植物では他にこの時期、クサトベラ、ハマボウ、アザミ、ハマナタマメなどに訪花していた。
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園芸種のランタナ。オレンジ色や赤色の品種に多くピンク色には訪花が少なかった。この花にも他のハチやチョウがよく集まる。

海岸の自生種の花ではハマナタマメに本種とハキリバチが共に訪花するが、ハマセンナの花はハキリバチが優占する傾向が見られた。

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写真はハマセンナに訪花したハキリバチ。

今の季節では、これらの花とハナバチの関係が観察できた。当然、花は季節によって咲くのでこれからも観察を続けなければならない。
ハチによって好みの花もあるようだし、花だけでなく「場」の優占行動も興味深い。
また、吸蜜を主な目的とする花や花粉を目的とする花もあるようだ。
集団(社会性)を作らない単独ハチの違いも考慮しなければならないだろう。

もともと、今回「ハナバチと遊ぶ」を書き始めたのは研究のためではなく、ハナバチの形やポーズを記録資料に使うためだ。
これまで撮った多くの写真はピンボケであるが、むしろ動きが止められていて参考になる。でも綺麗に撮れた写真を載せようと考えた。

やがてモダマのE. parvifolia が咲きそうで、その訪花昆虫に視点を変えるが、台風の襲来が無いことを願う。



by modama | 2016-08-31 11:57 | Comments(0)