石垣島便り

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2015年 10月 16日

モダマ調査でお世話になった人々・その8

スリランカのEntada zeylanica。アジアには9種のEntada 属が分布する。そのうちE. rheedii とE. phaseoloides は広域分布種であるが、その他、E. tonkinensis はベトナム、中国南部と台湾、日本の奄美、屋久島に。タイ、ラオス、カンボジアにE. grandulosa,E. reticulata が、タイ、マレーシア、インドネシアの一部にE. spiralis などが比較的狭い分布域に、そして固有種としてスリランカにE. zeylanica, ボルネオにE, borneensis, フィリピンにE. parvifolia が分布する。
2015,2月にスリランカへE. zeylanica の調査に出かけた。この種はハーバリュームの標本写真は見ていたが、実物の種子などは見る機会がなかった。私は標本を見るのではなく、自生地を訪れたいので、はじめから植物園の標本室には行く予定をたてず、自生していそうな場所をグーグルアースで見当をつけ出かけた。

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スリランカの首都コロンボから列車でキャンディーへ行き、ウダワッタキャレー自然保護区などを探索してから、20km程離れた森にある宿泊施設に滞在した。この辺りの森には必ず自生するという感だけをたよりに・・・。
宿に到着するとまずオーナーにモダマ探しの旨を伝える。すると、地元出身の使用人を呼んできて聞いてくれた。1キロ先の山にあると言うので、翌日、彼を案内人としてお借りすることにした。
朝食後、彼が来たので「準備はいいか」とオーナーに聞くと「OK」と言う。足元を見ると裸足なので「靴は履かなくていいのか」と聞いてみた。オーナーもスタッフも「彼は靴を履いたことがない」と言う。

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山道を二人で歩きながら「彼の名前を聞きわすれた」ことを思い出したが、もう聞きようがない。それでも彼は黙って自生地に案内してくれ、林床に落ちている種子を探してくれた。私がモダマの落ち葉を拾って、この葉がモダマの葉であることを彼に確認すると頷いて、近くにあった枯れた竹で高所の葉を叩き落としてくれた。
翌朝、宿泊施設の敷地内にも二本あることを教えてくれ、案内してくれた。


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結局、最後まで名前を聞き忘れてしまったが、ありがとうございました。

追記、E. zeylanica は、かなり早い時期にE. rheedii からスリランカで分化した種と考えられる。種子は小型で、葉もE. rheedii とは異なる。種子は半数が浮力を有したが、スリランカ以外での自生は知られていない。

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ここで取り上げた「お世話になった人々」は、「モダマを追って旅するアジア」のページでもとりあげてあるが、感謝の意を込めて再び載せることにした。海外での調査では、言葉の不自由などもあって、すべてが順調にいったわけではない。中には自生地を知らないのに連れまわされたり、近くにありながらわざわざ遠くに出かけるプランを示したガイドもいた。約束したのに当日来なかった者もいた。
他にもベトナムやカンボジアで車をチャーターした運転手は、積極的に地元の人に聞き込みをしてくれ感謝したい。タイのソンブンさんにも「ありがとう」。



by modama | 2015-10-16 10:32


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